中高年世帯が固定電話を保有している割合は、50代世帯で7割、60代以上の世帯だと8割を超えています。携帯電話が普及した今も、中高年世帯では、固定電話が手放せない現状が伺えます。
詐欺電話や個人情報を聞き出そうとするアポ電は固定電話を中心にかかってきます。
固定電話をやめることで、犯罪にあうリスクを減らすことができます。月々の固定電話使用料も削減できます。
「スマホよりも使いやすい」「電話に気づきやすい」という理由で固定電話をやめられないなら、iPadを固定電話がわりに使うことをおすすめします。iPadは大きな画面で中高年にも使いやすく、電話に気づきやすいというメリットがあります。
本記事では、iPadを電話として使う方法についてお伝えします。家の固定電話をやめたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
iPadを電話として使う前提条件と設定
そもそもiPadには電話機能がありません。iPad単体では電話をかけたり受けたりすることはできません。
ここで紹介するのは、iPhoneの電話回線を利用して、iPadで会話する方法です。したがってiPhoneユーザーであることが前提となります。iPadから電話をかけるとiPhoneで契約している通信会社の通話料がかかります。
iPadを電話として使う前提条件
iPadで電話をする基本的な前提条件は以下の２つです。
〇iPhoneとiPadが同じAppleアカウントでiCloudにサインインしている
〇iPhoneとiPadが同じWi-Fiにつながっている
iPadを電話として使う設定
iPadを電話として使うためには、iPhoneとiPadそれぞれで設定が必要です。
〇iPhoneの設定
「設定」▶「アプリ」▶「電話」▶「ほかのデバイスでの通話」をオン
〇iPadの設定
「設定」▶「アプリ」▶「FaceTime」▶「iPhoneから通話」をオン
FaceTimeの設定
FaceTimeとは、Appleが提供するビデオ通話・音声通話アプリです。はじめからiPhoneとiPadにインストールされており、無料で使うことができます。
通話の相手先がiPhoneユーザーに限定（Web通話除く）されますが、LINEよりも音質や画質がよく通話料もかからないので、友人や家族がiPhoneユーザーなら、FaceTimeを使って電話することをおすすめします。使い方については後述しますので、FaceTimeが使用可能かどうか設定を確認してください。
〇FaceTimeの設定
（iPhoneとiPadの設定）
「設定」▶「アプリ」▶「FaceTime」をオン
iPadから電話をかける方法3つ
みなさんの中にはiPadにかかってきた電話に出たことがあるという人がいるかもしれません。
iPhoneに電話がかかってくるとiPadの画面にも同じ表示があらわれ、Padからでも電話に出ることができます。
しかし電話を受けることはできても、電話をかけることはできないと思っている人が少なくありません。
ここではiPadから電話をかける方法を３つ紹介します。
①「連絡先」アプリから電話をかける
「連絡先」はiPhone、Padに標準でインストールされているアプリです。アプリを削除してしまった人は、App Storeから再インストールしてください。連絡先アプリには、iPhoneの電話アプリで登録した電話番号の情報を確認することができます。
連絡先アプリの確認と設定
まずiPhoneとiPadで「連絡先」アプリを同期させる設定をします。
〇「連絡先」アプリを同期させる設定
iPhoneとiPadの設定
「設定」▶「自分の名前」▶「iCloud」▶「連絡先」をオン
※「連絡先」は「iCloud」をタップしたときに「iCloudに保存済み」や「iCloudを使用している」などの項目にあります。「すべて見る」や「すべてを表示」でタップして確認できます。
iPadの連絡先アプリを開き「リスト」▶「iCloud」▶「iCloudのすべて」の中にiPhoneの電話番号情報が入っていることを確認してください。
もし電話番号情報が表示されない場合は、iPhoneで以下の操作を試してください。
「設定」▶「自分の名前」▶「iCloud」で現在オンになっている「連絡先」を一度オフにする。
その際、「iPhone上の以前同期したiCloud連絡先をどうしますか？」の表示には、「iPhoneに残す」を選択、「現在iPhoneにある連絡先をどうしますか？」の表示には「結合」を選択してください。
これでiPadの連絡先にもiPhoneと同じ電話番号表示がされます。
もし電話番号情報が「Gmail」フォルダに紐づいていたら、同期させてiPadにも「Gmail」フォルダを表示させる必要があります。
〇iGmailの連絡先を同期させる設定
iPhoneの設定
「設定」▶「アプリ」▶ 「Gmail」▶「連絡先」をオン
連絡先アプリからiPhone回線電話をかける方法
それでは連絡先アプリから実際に電話をかけてみましょう。
基本はiPhone電話回線を使うのが基本です。相手が固定電話でも携帯電話でも電話をかけることができます。
連絡先アプリからかけたい相手を選び、「発信」を押すとiPhone電話回線で電話をかけることができます。
連絡先アプリからFaceTime電話をかける方法
FaceTime電話も連絡先アプリからかけることができます。
連絡先アプリからかけたい相手を選び、「FaceTime」表示の横、電話マークを押すとFaceTime電話で電話をかけることができます。
相手がiPhoneユーザーなのにFaceTimeの表示がない場合は相手のiPhoneの設定がオフになっています。家族など近しい相手なら、FaceTimeの設定をオンにするようお願いしてください。
②「Hey Siri」と呼びかけて電話をかける
連絡先アプリを開くのも面倒という方は、Siriに呼びかけて電話をかけることをおすすめします。SiriでもiPhone回線やFaceTime回線で電話をかけることができます。
Siriはトップボタン長押しでも起動しますが、呼びかけた方が手がふさがっていても電話がかけられるので便利です。
iPadに「Hey Siri」と呼びかけてみてSiriから返事がない場合は、iPadの設定を確認しましょう。
また、iPadがロック中でもSiriを使えるように「ロック中にSiriを許可」もオンにしておくとよいでしょう。
〇「Hey Siri」でSiriを起動させる設定
「設定」▶「Siri」または「Apple IntelligenceとSiri」▶「Siriに話しかける」▶「”Hey Siri”」をオン
〇iPadがロック中でもSiriを起動させる設定
「設定」▶「Siri」または「Apple IntelligenceとSiri」▶「ロック中にSiriを許可」をオン
「Hey Siri」でiPhone回線の電話をかける方法
SiriでiPhone回線電話をかける方法はとても簡単です。
「Hey Siri ◯◯さんに電話をかけて」
と呼びかけるだけです。
◯◯は連絡先アプリに登録されている名前です。もし◯◯さんの連絡先に２つの電話番号が登録されている場合は、画面に2つの電話番号があらわれ、どちらにかけるか選べます。
「Hey Siri」でFaceTime電話をかける方法
電話をかける相手がiPhoneユーザーでFaceTimeで通話したいとき、Siriには次のように呼びかけます。
「Hey Siri、 FaceTimeオーディオで◯◯さんに電話をかけて」
FaceTime電話の正式名は「FaceTimeオーディオ」です。
「FaceTimeオーディオで」という言葉をつければ、iPhone回線ではなくFaceTimeで電話をかけてくれます。なお「オーディオ」をつけず「FaceTimeで電話をかけて」と言うと、ビデオ通話が起動して自分の顔が画面に表示されます。
電話をかける場合は「FaceTimeオーディオで」と言いましょう。
・FaceTime → ビデオ通話
・FaceTimeオーディオ → 電話
FaceTime電話の難点は「FaceTimeオーディオ」という言葉が覚えにくいことです。とっさに出てこなかったり言い間違えたりするかもしれません。
言葉を忘れそうな方は、iPadのホーム画面に「フェイスタイム オーディオ」とふせんメモを貼っておくとよいでしょう。
③電話番号テキストから電話をかける
最後に電話番号テキストから電話をかける方法を紹介します。
「メモ」「カレンダー」「リマインダー」などのAppleの純正アプリに電話番号を入力したり貼り付けたりすると、テキストに下線がつき、色が変わります。その状態で電話番号を長押しすると、電話をかけることができます。
つまり電話番号を打つことなく電話がかけられるのです。
テキストから電話をかける方法は、連絡先アプリに登録するほどではないが電話をかける可能性があるときに便利です。
たとえば忘年会の幹事さんがお店を決めるときに役立ちます。食べログなどで候補のお店を複数をみつけたら、メモアプリにコピーしておけばよいのです。後でそのメモに入力された電話番号でテキストからお店に電話をかけることができます。候補のお店がたくさんある場合にとても便利です。
また、「Safari」や「GoogleMaps」などに表示される電話番号からも電話をかけることができます。
たとえばSafariで歯医者を検索したり、GoogleMapsで話題のレストランを見つけたときに、見ているページから直接電話ができ、予約をとるのがスムーズです。電話番号を打ち間違う心配もありません。
iPadの電話でできないこと
iPadの電話はiPhone回線を使うのでほぼiPhoneと同じように使用可能ですが、一部iPadではできないこともあります。くわしく解説します。
緊急通報電話がかけられない
iPadからは、緊急通報の110や119に電話をかけることができません。
iPadでSiriに「Hey Siri、救急車に電話をかけて」と言っても、Siriからは「ここでは緊急通報用の電話にかけられません。電話を使ってください」と返されます。
緊急通報電話をかけるときはiPhoneを使いましょう。
Phoneで簡単に緊急通報電話をかける方法
①ボタン操作で緊急電話をかける方法
●サイドボタンと音量ボタン（上下どちらか）を同時に長押し
または
●サイドボタンを素早く5回押す
すると以下の画面があらわれます。
「SOS緊急電話」を右にスライドすると「警察110」「海上保安庁118」「火事、救急車、救助119」の連絡先項目が表示されるので、通報先をタップする。これで電話がかかります。
連絡先項目をタップしなければ、電話がかかることはないので、緊急のときにあわてないように自分のiPhoneで何度か試してみることをおすすめします。
②Siriに呼びかけ緊急通報電話をかける
iPhoneでSiriに呼びかけても緊急通報電話にかけられます。
「Hey Siri、救急車をよんで」
「Hey Siri、110番に電話して」
このように呼びかけると、5秒のカウントダウンが始まり緊急通報電話をかけてくれます。
5秒以内に「キャンセル」を押せば電話はかかりません。
耳に当てて会話ができない
固定電話やスマホに電話がかかってくると、受話器やスマホを耳に当てて会話します。相手の声は周りに聞こえません。しかしiPadでは耳に当てて会話することができません。スピーカー通話が基本なので、かかってきた電話に出ると、スピーカーから相手の声が聞こえます。
スピーカー通話には、「手がふさがらない」「両耳で聞こえる」というメリットがありますが、基本の設定では周りの人に会話の内容が聞かれてしまいます。
マイク付きイヤホンで便利に会話する方法
相手の声を聞かれたくない場合はマイク付きイヤホンを使用するとよいでしょう。
両手が使えて、Bluetoothが届く範囲で自由に移動することができます。部屋の片付けをしたりアイロンをかけたりしながらの電話も可能です。長電話が多い人にも快適です。
マイク付きイヤホンは、Apple純正のものをおすすめします。
Appleデバイスとの相性がよく、ペアリングがとても簡単です。
ペアリング方法はイヤホンの電源を入れ、iPhoneやiPadの画面に表示される「接続」をタップするだけです。イヤホンの使用をiPadからiPhoneに変更するときもペアリングを解除する必要がありません。再度イヤホンの電源を入れた時にiPhone画面から「接続」をタップすればよいのです。
Apple製のイヤホンで有名なのはAirPodsですが、高額で買えないという人も多いでしょう。
同じApple製でもBeatsイヤホンなら、6000円〜8000円代で購入することができます。
特にBeats Flexは、ネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンで、左右がコードでつながっており、なくす心配がありません。充電持ちもよく、USB-Cケーブルで簡単に充電ができます。
おわりに
iPadから電話をかける３つの方法を紹介しました。
普段iPadをリビングに置いているなら、ぜひiPadを電話としても使用してみることをおすすめします。
固定電話よりも便利で快適に使えることがわかるでしょう。
iPadとiPhoneがあれば、固定電話は必要ありません。iPhoneの電話料金が気になるという方は、かけ放題プランに変更しましょう。固定電話の使用料よりも安く抑えられます。
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