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経験者が語る 浪人は絶対に避けるべき理由

今から30年以上も前のことですが、私は大学受験に失敗し1年浪人をしました。
あの頃は、子どもの数が多く、受験は今よりもずっと大変でした。大学生のうち3~4割は浪人していたような気がします。「1浪(いちろう)は1浪(ひとなみ)」と言われていたように、浪人することはさして珍しいことではありませんでした。

「1年浪人したら、1年長く生きればいいんだよ」
そんなお気楽なことを言っている友達が、私の周りにはたくさんいました。

そんな風潮もあり、大学受験に失敗し浪人が決まったときは、そんなに落胆はしませんでした。

むしろ浪人することで精神も鍛えられ、人間的にも成長できるに違いない。そんな風に考えていました。

しかし、浪人生活は私を成長させるどころか、私の心身に深いダメージを与えました。浪人した1年間は、人生の中でベスト3に入るほどつらいものでした。

何がそんなにつらかったのか、当時をふり返りながら、そのつらさについてまとめます。

成績が上がるとは限らない

1年間勉強したからといって、成績が上がる保証も大学に受かる保証もありません

浪人生活が始まった頃は、1年あれば何とかなるさと思うのですが、勉強しても思うように成績が上がりません。逆に下がってしまうこともあります。そして気持ちばかりが焦ります。不思議なもので焦れば焦るほど、成績は下降の一途をたどります。

私の知る限り、浪人して成績が上がる人は2割くらいです。後の8割は現役のときとトントンか、逆に成績が下がってしまいます。現役のときに一生懸命勉強した人ほど浪人しても成績が上がらないことが多いです。

勉強したらその分成績が右肩上がりに上がっていけば、浪人生活は暗くないのかもしれませんが、勉強したにも拘わらず成績が下がってしまうのは、本当につらいものです。勉強を続けるモチベーションもどんどん低下します。

目次

やるべきことが勉強しかない閉塞感

現役のときは、高校へ行って、授業を受けて、部活をして、友達とおしゃべりして等々、受験勉強以外にもやるべきことがたくさんありました。受験勉強はたくさんのやるべきことの中の一つでした。

でも、浪人生活になると、やるべきことは、ただ一つ受験勉強だけになってしまいます。

そんなの当たり前と言われるかもしれませんが、実際やってみるとこれが思っている以上に閉塞感があるのです。

現役のときは「体育の時間がもったいない、その時間を受験勉強にあてたい」と思っていましたが、浪人してはじめて体育で体を動かしていたことが気分転換にもなり、心身のバランスも整えてくれていたんだなと気づきました。

浪人生は、自分で意識的に気分転換をしなくてはなりません。

浪人生という立場上、お金がかかることはできないし、友達と遊んだりするのも気がひけます。結局、気分転換と称してぼーっとテレビを見たり、マンガを読みふけったりします。

しかしこれは気分転換ではなく、ただの勉強からの逃避でしかありません。どれだけテレビを見てもマンガを読んでも気分がスッキリすることはなく、勉強をさぼったという罪悪感だけが重くのしかかってきます。

やはり、人と会話したりスポーツしたり、人と関わって何かをすることで、やる気や活力が生まれ、気分転換になるのです。

友達が減ることがある

高校のときに仲の良かった友達の大半は大学生になっています。キャンパスライフと浪人生活とでは、天と地ほどのギャップがあります。

浪人生の関心ごとは、夏期講習のことや、模擬試験の結果など、ほとんどが勉強に係ることです。

一方、大学生の関心ごとは、単位のこと、サークル活動、恋愛、夏休みの旅行先と多様性に満ちています。

これは別に特別なことではなく、大学生にとっては普通のことです。

でも浪人生から見るとそれはあまりにもキラキラしていて、眩しすぎるのです。

精神衛生上、大学に受かるまでは、彼らとの付き合いは極力避けた方が賢明です

今はSNSが盛んで見たくない情報も目にしてしまうリスクも高いです。どうしてもSNSを見てしまうなら、思い切ってアプリも消してしまいましょう。

私は浪人中、高校の同級生で大学生のヨーコから、よくランチに誘われました。

お互いの近況を話した後は、ヨーコの彼氏の話を聞くのがお決まりのコースでした。それはノロけだったり愚痴だったり悩み相談だったり色々でした。私はいつも菩薩のような顔でその話を聞いていました。

ランチを重ねるうちに心の中のモヤモヤがつのり、ある時プチンと何かが切れました。それから、ヨーコの誘いは「忙しいから」と理由をつけて全て断りました。

浪人生活が終わってもヨーコとの友達関係は、復活せずそのまま自然消滅してしまいました。

もし、私があのとき浪人生ではなく大学生だったら、ヨーコの話をとことん聞いてあげて、ヨーコの誘いは断らず友達関係は続いていたと思います。

一方で一時的につきあいをやめても、その後また連絡を取り合った友達もいます。

浪人したことで一部の友達は減りましたが、本当に大事な友達はしっかりと残りました。1年会わなかったぐらいで終わるなら、所詮それぐらいの友人関係だったのです。

とはいえ、浪人というつらい時期に友達とのつきあいがなくなることは、精神的にかなりキツイものがあります。そうした状況に自分が耐えられるのか、よくよく考えてみてください。

受験勉強がバカバカしくなる

これは私だけかもしれませんが、浪人中、受験勉強がバカバカしく思えてなりませんでした。現役の頃は、受験勉強をするのは当たり前と思っていたのですが、浪人して予備校の授業を受けていると、「こんなこと勉強して何になるんだ」と机をひっくり返したくたる衝動にかられました。

古典の変格活用、世界史の長ったらしい人名、覚えたからって、その後の人生で何の役にも立たない。ただ大学に入るためだけの勉強。試験が終わったらすぐに忘れてしまう。

現代文では、複雑でこねくり回したような難解な文章を読んで理解しないといけない。社会に出てこんな文章を書いたら「もっとわかりやすく書け」って怒られるのに。

でも私の周りの人は、そんなこと1ミリも考えていないかのように、黙々と勉強に励んでいました。そんな従順な羊の群れの中で、私ひとり不満分子でいつもイライラを募らせ、やり場のない怒りを感じていました。

あとがき

浪人生活は、健康的な人間生活とはほど遠いものです。

現役受験でもし一校でも大学に受かっていたら、ぜひその大学に進学することをおすすめします。くれぐれも、第一志望を目指して浪人を選択してはいけません。

そこは皆さんが考えている以上にイバラの道なのです

受験勉強がその後の人生で、役に立ったと思ったことは一度もありません。
強いて言えば、クイズ番組を見ていて答えが分かることくらいです。

大学に入るためだけの勉強に何の意味もありません。それよりもさっさと大学に入って、大学の勉強を一生懸命頑張った方がずっと有益で、人間的にも成長できることでしょう。

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この記事を書いた人

50代経理職員
家族構成は、夫、社会人娘、大学生息子
50代になり、ふと気がつくと思ったより貯金ができてない

反省点は3つ
・教育費にお金をかけすぎた
・部屋が不用品でいっぱい
・勉強せずに投資をしていた

50代主婦が一念発起し、シンプルライフとお金に余裕がある老後を目指して、発信しています。

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