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実体験に基づく安い火災保険の選び方!見積もりの前にチェックすべきポイントとは?

「火災保険の保険料が高すぎる」と思ったことありませんか?
実際、10年前と比べて火災保険の保険料は大幅に上昇しています。また、2022年10月からは、長期契約が最長5年に短縮されました。これにより、より頻繁に値上げの影響を受けやすくなっています。

本記事では、火災保険の保険料を安くするためにはどうすればよいか、検討すべきポイントについてお伝えします。

実際にマイホーム(戸建て築20年)の火災保険を見直し、検討を重ね、新たな火災保険を契約した私自身の体験に基づいてお伝えします。
火災保険に対する考え方の参考になれば幸いです。

火災保険はカスタマイズできることを知ろう

火災保険の加入を検討する際、合い見積もりを取って相場を知ろうとするでしょう。しかし、その見積もりの前提が色々な保障がついたスタンダードな火災保険なら、保険料は高くなります。

スタンダードな火災保険には、どのような補償がついているのか、全部書き出してみましょう。

・火災、落雷、 破裂・爆発
・風災、雹(ひょう)災、雪災
・水災
・地震・噴火・津波
・仮すまい費用
・盗難
・建物外部からの物体落下、飛来、衝突
・給排水設備の事故等による水濡れ
・破損・汚損等
・家財の補償
・類焼損害
・個人賠償

保険代理店の立場で考えれば、フル装備の保険契約の方が会社の利益が増えます。加入者にとって必要のない補償が含まれていたとしても、何も指示がなければ、手厚い補償たっぷりの火災保険を提案するでしょう。

「将来起こりうるリスクをすべて保険で賄いたい」という方は、そのまま高い保険料を支払うしかありません。
しかし、将来のリスクに対して貯金でも備えることを考え、保険は必要最小限でよいと割り切るなら、火災保険料はかなり下げることができます。

火災保険は自分でカスタマイズできる保険です。
住まい環境や生活状況に合わせて、自分にあった補償を選択することをおすすめします。

目次

必要のない補償が含まれていないか確認しよう

災害リスクの度合いは、住んでいる地域や立地、戸建てか、マンションか等によって違ってきます。

火災保険の中には、自分には必要のない補償項目が含まれている場合があります。実際に例に挙げて確認してみましょう。

●水災●

水災は、台風や豪雨などに起因する建物の損害です。以下のような事象が発生した場合に適用されます。

・浸水
・洪水
・高潮
・土砂崩れ
・落石

自宅の立地が、河川が近い、崖が近い、低地、などに該当しないなら、水災の補償は必要ないかもしれません。またマンションの上層階も、床上浸水のリスクがないので、水災補償は不要です。

ハザードマップで自分が住んでいる場所が、水災リスクの対象にあるのかを確認し、水災の補償が必要かどうか判断しましょう。

●水濡れ●

水濡れの補償が適用されるのは、主に以下の2つのケースです。

1.給排水設備の事故による水濡れ
水道管や排水管の破損や貯水タンク、給湯ボイラー、スプリンクラーなどの設備のトラブルが原因で損害を受けた場合
【例】トイレの水道管が壊れて水漏れが発生し、床や壁が水浸しになった

給排水設備からの水漏れは、事故が原因のものに限定され、経年劣化が原因だと適用されません。

2.自宅以外で起きた事故による水濡れ
マンションやアパートなどの集合住宅で、自宅以外の戸室で起きた事故によって損害を受けた場合
【例】上階の人が水道を締め忘れ、天井や壁が水浸しになった

自宅外で他人が起こした不注意による水濡れは補償が適用されますが、自分の不注意で水濡れが生じた場合は適用されません。
水濡れは水災ではないので、台風や豪雨による場合は対象外となります。

このように水濡れ補償は、マンション住まいならリスクに合いますが、戸建ての場合は補償の適用範囲が狭いため、あまりおすすめできません。

●個人賠償特約●

個人賠償特約は重複しやすい保険です。
自動車保険やクレジットカードに個人賠償責任保険が付帯されている場合があります。

自動車保険の契約書を確認したり、クレジットカードのオプション加入がないか家族に聞いてみたりして、重複しないように注意しましょう。

個人賠償特約は、自転車による事故もカバーできます。個人賠償特約をつけるなら、自転車保険に加入する必要はありません。

地震保険は割に合わないことを知ろう

日本は地震大国であり、頻繁に地震が発生しています。
大きな地震のニュースを見る度に「やはり地震保険には入っておくべき」と感じる人も多いでしょう。

火災保険の契約者のうち、実に7割が地震保険に加入しています。

確かに火事であろうが地震であろうが、住む家がなくなってしまったら、非常に困った事態になります。だからどちらも加入しておくというのはまったく筋が通った話です。

しかし、地震保険は高い保険料を払っても保険金が支払われにくく、割に合わない保険です。
地震保険の目的とは何か、過去の震災でどのくらいの保険金が支払われたのかをくわしくみてみましょう。

地震保険の目的

火災保険の保険金額は再調達金額(今の建物と同等のものを新たに建築する費用)で設定されますが、地震保険の保険金額は、火災保険金額の30%~50%に抑えられています。

日本政府は地震保険の目的を「被災者の生活の安定のため」としています。

地震は一度に広範囲にわたって被害がでる可能性があり、民間の保険会社では支払いが困難になることが想定されています。その場合は日本政府が保険金を担保することになっています。

被害にあった多くの地震保険加入者に多額の保険金を出すことは難しいので、当面の生活を乗り切る資金しか保険設定できないしくみになっているのです。

地震被害の多くは一部損

過去に起きた震災で、地震保険の損害認定の分類結果を見てみましょう。

●能登半島地震(2024年1月1日)
 全 損  8%
 半 損 17%
 一部損 75%

●熊本地震(2016年4月14日)
 全 損  4%
 半 損 17%
 一部損 79%

●東日本大震災(2011年3月11日)
 全 損 5%
 半 損 24%
 一部損 71%

参照:日本付近で発生した主な被害地震国土交通省
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/higai/higai1996-new.html

このように震災で大きな地震の被害を受けたとしても、ほとんどの建物が一部損にとどまっていることがわかります。そして一部損に分類された場合、補償額は保険金額の5%(時価の5%が限度)しか、支払われないのです。

地震保険の保険料は高額ですが、もらえる保険金は期待したほど多くはありません。
津波や噴火の心配がなく、住宅ローンも終わっているなら、地震保険は加入しないという選択も検討してみましょう。

本当に困る事態に対してのみ保険をかけよう

将来起こり得るリスクを数え上げればキリがありません。保険料を下げたいなら、本当に起こったら困るという事態に対してのみ保険をかけ、それ以外は貯金で備えるようにしましょう。
それぞれの補償項目について、それが起こったら生活が困窮する事態になるか考えてみることが大切です。

一つの例として、私がマイホームの火災保険に加入した際、スタンダードな火災保険から外した補償項目とその理由についてお伝えします。

もちろん家の立地や生活状況、考え方の違いによって、必要な補償も変わってきます。あくまで一つの参考例として見ていただければ幸いです。

【マイホームの状況】
 築20年 戸建て 水災リスクあり 津波・噴火のリスクなし
【生活の状況】
 住宅ローン完了 借金なし 高額な持ち物なし 自転車保険加入済

外した補償外した理由
地震保険割に合わない
風災、雹(ひょう)災、雪災リスクが低い(貯金で修繕)
水濡れリスクが低い(貯金で修繕)
建物外部からの物体落下、飛来、衝突リスクが低い(貯金で修繕)
仮すまい費用貯金で備える
破損・汚損等小さな子どもやペットがいない(貯金で備える)
盗難家に貴重品がない
家財の補償貯金で備える
類焼損害※(下記参照)法的に必要なし

※類焼損害とは
類焼損害とは、自宅から発生した火災が近隣の住宅に延焼した場合、被害者に補償を行うための保険特約です。被害者が火災保険に加入していた場合は、被害者の火災保険が優先的に適用されます。被害者の火災保険で補償されない部分や、補償額が不足する場合に、類焼損害補償特約が適用されます。

日本には失火責任法という法律があり、失火(過失による火災)の場合、原則として失火者に対して損害賠償責任を問えないとされています。つまり失火した側は延焼した隣家の再建費用まで賠償する必要がないのです。
とはいえ、道義的な問題として失火責任の見舞金は支払う必要があるでしょう。その場合の相場は、30万円から50万円くらいといわれています。

以上、私が外した補償についてお伝えしました。
逆にそのまま残した補償は水害と個人賠償特約です。
すでに自転車保険に加入していたのですが、火災保険特約の個人賠償の方が保険料が少し安く、また自転車以外の事故にも補償が適用されるので、自転車保険の方を解約することにしました。
特約の保険料は保険会社によって異なります。特約をつける際はご自分でしっかり比較検討してください。

ネット保険で保険料を安く抑えよう

火災保険のカスタマイズができたら、あとはどこの保険会社にするか決めるだけです。
一括見積もりサイトなどで複数社の見積もりを取って比較するのもよいでしょう。最近はZoomで面談するのが主流のようなので、事前にYouTubeなどでZoomの使い方を勉強する必要があるかもしれません。

またおすすめしたいのは、ネットで申し込める火災保険です。自分に合う条件を選択すればすぐに見積額を確認することができます。一括見積もりサイトよりも安い場合が多いです。
ただしネット保険の場合、必要な書類をPDFでアップロードすることを求められます。パソコンが苦手な人には少しハードルが高めですが、電話サポートもあるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

では私が最終的にどこの火災保険に決めたかというと、日新火災「お家ドクター火災保険Web」です。
決め手となったのは保険料の安さと補償範囲を細かく自由にカスタマイズできる点です。
ホームページも分かりやすく、インターネット割引と指定工務店割引を使えば8%値引きされます。

以下契約した保険の詳細です。

●支払保険料の詳細 日新火災「お家ドクター火災保険Web」2024年10月契約

保険料(5年一括払い)54,170円
建物火災保険金額2,000万円
建物の構造木造2階(耐火性能なし)
建物の床面積100㎡
※インターネット割引 割引率 5%適用 ※指定工務店割引 割引率 3%適用

●補償内容の詳細

補償項目補足説明
火災、落雷、破裂・爆発補償メインの火災補償
水災危険補償特約(定率払)「実損払」と「定率払」があり、「定率払」を選択
修理付帯費用補償特約自動的にセットされる特約
(損害の原因調査費用や仮修理のために支出する費用)
残存物取片づけ費用補償特約自動的にセットされる特約
(残存物の取片づけに要する費用)
個人賠償責任総合補償特約補償金額を1億円に設定

火災保険まとめ

私が火災保険に加入した体験をもとに、安い火災保険の選び方について紹介しました。
一度高額な火災保険に加入してしまうと、次の更新の際に今までついていた補償を外すことに抵抗を感じ、ずっと払い続けてしまいます。

保険料は固定費です。
一生高い保険料を支払っていくのか、どこかのタイミングでリスクの少ない補償を外し貯金でしなえるのか、じっくり考えることが必要です。

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この記事を書いた人

50代経理職員
家族構成は、夫、社会人娘、大学生息子
50代になり、ふと気がつくと思ったより貯金ができてない

反省点は3つ
・教育費にお金をかけすぎた
・部屋が不用品でいっぱい
・勉強せずに投資をしていた

50代主婦が一念発起し、シンプルライフとお金に余裕がある老後を目指して、発信しています。

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