高齢の親と離れて暮らしていると、「ちゃんと薬を飲んでいるかな?」と心配になることはありませんか?
特に持病があったり、複数の薬を服用している場合は、飲み忘れが健康に影響を及ぼすこともあるため、日々の服薬管理はとても大切です。
しかし頻繁に連絡を取るのも負担になってしまうし、かといって見守りを怠るのも不安…。
そんな悩みを抱える方におすすめなのが、iPhoneを使って服薬管理をサポートする方法です。
今回は、離れて暮らすご家族の薬の飲み忘れを防止し、安心して見守るための具体的な方法をご紹介します。
「ヘルスケア」アプリ 服薬管理する方法
「ヘルスケア」とは、iPhoneにはじめから入っている健康管理アプリです。薬の情報や服薬状況をiPhone上で確認でき、服薬の時間になるとプッシュ通知でお知らせしてくれます。服薬管理を行う方法をご案内します。
「ヘルスケア」薬の情報を登録する方法

まずはじめに、本人のiPhoneで「ヘルスケア」アプリに薬の情報を入力します。
入力した情報は他のアプリやサービスと連携するわけではありませんが、正確に情報を入力しておくと、お薬手帳が手元にないときでもすぐに確認することができます。
・「ヘルスケア」をタップ
・「ブラウズ」をタップ(右下)
・「服薬」をタップ
・「薬を追加」をタップ
・「薬の名前」を入力
・「薬の種類を選択」で該当するものをタップ
・「薬の有効成分量を追加」を入力
・「スケジュールを設定」で服用時間を入力
※継続時間は「開始日」⇒「今日」、「終了日」⇒「なし」でOK
・「形を選択」で該当する薬の形状をタップ
・「色を選択」で該当する薬の色をタップ
※薬の色と背景色を選べます。薬は白色が多いので、背景色を薬のパッケージの色にすると
紐づけしやすくなります。
・「完了」をタップ
以上の設定を行うと、服薬の時間になると通知音とともにiPhoneの画面に「お知らせ」が表示されます。また、同じAppleアカウントでサインインしているiPad、Mac、Apple Watchにも通知を届くように設定できます。
「ヘルスケア」服薬完了の記録を行う方法
薬を服用したら服薬完了の記録を残す必要があります。記録方法はとても簡単です。
画面に服薬のお知らせが表示されている場合は、2回タップするだけで記録が完了します。
しかし、いつもお知らせが表示されているわけではありません。一定時間が経過するとお知らせは消えてしまいますし、お知らせが表示される前に服薬を記録したい場合もあります。
その場合は、「ヘルスケア」アプリから服薬の記録が可能です。「服薬」を「概要」に固定しておけば、スムーズに記録できます。
ここでは、お知らせが表示されているときと、表示されていないとき、それぞれの記録方法についてご説明します。また「服薬」を「概要」に固定する方法もご案内します。
「お知らせ」が表示されている時の記録方法
・「お知らせ」をタップ

・「すべて服用」をタップ

●「お知らせ」が表示されていない時の記録方法
・「ヘルスケア」をタップ
・「ブラウズ」をタップ(右下)
・「服薬」をタップ
・「記録」の該当の服薬をタップ

・「すべて”服用”で記録」をタップ

「ヘルスケア」の「概要」に「服薬」を表示する方法
「ヘルスケア」アプリを開くと、画面左下に「概要」タブがあります。「概要」をタップし、画面の一番上に「服薬」が固定表示されていると、服薬記録がしやすくなります。
●「概要」に「服薬」を表示する手順
・「ヘルスケア」をタップ
・「ブラウズ」をタップ(右下)
・「服薬」をタップ
・「その他」「概要にピンで固定」をタップ

以上の設定で概要タブに「服薬」が表示されるようになります。
次に「服薬」が一番上に表示されるよう順番を入れ替えます。
●「概要」の「服薬」を一番上に表示させる手順
・「編集」をタップ

・三本線を押さえながら一番上に移動させる

これで「概要」の一番上に「服薬」が表示されるようになります。
「共有」で親の服薬を確認する方法
「ヘルスケア」の共有設定をしておくことで、本人以外でも服薬データや服薬状況を確認できるようになります。家族が薬を飲み忘れていないかを把握できるほか、日々の簡易的な安否確認にも役立ちます。
服薬状況を共有する際の条件について
共有設定する際の前提条件と事前に行う準備についてお伝えします。
・双方がiPhoneがiOS 15以降のiPhoneを使用していること。
・双方のAppleアカウントで、2ファクタ認証が有効になっていること。
※ほとんどのアカウントでは、2ファクタ認証がデフォルトのセキュリティ対策となっています。
・本人の連絡先アプリに共有相手の情報が保存されていること

※共有相手のAppleアカウントに紐づくメールアドレスが入力されていることが条件です。
以上の設定を行うことで、ヘルスケアデータの共有やiCloud同期などの安全性が確保されます。
親(本人)のiPhoneで行う共有設定
・「ヘルスケア」をタップ
・「共有」をタップ(中央下)
・「ほかの人と共有」をタップ
・「共有先」で共有したい相手を検索
※連絡先アプリに登録されている名前で検索
・共有したい相手の名前をタップ
・「手動で設定」をタップ
・「次へ」をタップ
・「服薬」「すべて表示」をタップ

・「スケジュール済み」「すべてオンにする」をタップ
・「完了」をタップ


自分(共有相手)のiPhoneで行う確認方法
・「ヘルスケア」をタップ
・「共有」をタップ(中央下)
・親の名前をタップ
・「承認」をタップ

共有相手は、本人の服薬状況や飲み忘れの有無を確認することはできますが、薬の飲み忘れを知らせる通知などは届きません。服薬リマインダーや飲み忘れの通知は、あくまで本人の端末にのみ送られます。
薬の飲み忘れを防止する方法
「ヘルスケア」に服薬時間を入力しておけば、設定した時間になると通知音が鳴り本人のiPhone画面にお知らせが表示されます。しかし、薬の飲み忘れを防ぐには、それだけでは不十分です。
なぜなら、通知音に気づかなかったり、お知らせが一定時間で消えてしまったりするためです。また、本人が常にiPhoneのそばにいるとは限りません。
ここでは、薬の飲み忘れを防止する方法についてお伝えします。
服薬時間に気づけるようになり、服薬の記録も忘れないようになります。
オプションでリマインダーを強化する
「服薬」のオプション機能を追加することで、飲み忘れや記録忘れの防止を強化することができます。追加すべき項目は「フォローアップリマインダー」と「重大な通知」です。
フォローアップリマインダー
服薬時刻に通知が届いた後、30分以内に服薬の記録がされていない場合、追加で「フォローアップリマインダー」が通知されます。これにより、最初の通知を見逃したり、忙しくてすぐに対応できなかった場合でも、再度リマインドされるため、飲み忘れ、記録忘れのリスクが大幅に減ります。
重大な通知
「重大な通知」をオンにすると、iPhoneが消音モードや集中モードになっていても、必ず通知音とともにリマインダーが表示されます。ロック画面上にも通知が表示されるため、iPhoneを開かなくて気づくことができます。
オプション設定の方法
「フォローアップリマインダー」と「重大な通知」をオンにする手順は以下のとおりです。
・「ヘルスケア」をタップ
・「ブラウズ」をタップ(右下)
・「服薬」をタップ
・「その他」「オプション」をタップ


「フォローアップリマインダー」をオンにすると「重大な通知」が表示されます。
「重大な通知」をタップし、該当する薬すべてを「オン」にします。
時計のアラームを活用する
服薬時間に確実に気づくためには、大きな音で知らせる工夫が必要です。
自分で止めるまで音が鳴り続く仕組みであれば、より確実に気づくことができます。
そこでおすすめしたいのが、時計のアラーム機能を活用する方法です。
時計のアラームは本来、目覚ましとして使われるため、音量も大きく、気づきやすい設計になっています。
たとえiPhoneが消音モードやおやすみモードに設定されていても、アラーム音には影響がなく、設定された音量で確実に鳴動します。
また、アラームを止めるためにiPhoneを手に取ることで、画面に表示された通知にも自然と目が向きます。これにより、服薬時間に気づきやすくなり、決められた時間に薬を飲む習慣をより確実に定着させることができます。
アラーム設定方法
・「時計」をタップ
・「アラーム」(画面下)をタップ
・「アラーム」の設定を行う

※アラームは服薬が完了している時間に設定するのがおすすめ
※「繰り返し」を「毎日」にするには、「毎日曜日」〜「毎土曜日」のすべてに「✓」を入れる
※「ラベル」に入力するとアラーム時にも「薬の時間」と表示されわかりやすい
Apple Watchを着用する
突然鳴り出すアラーム音に不快感を覚えやすい方や、外出が多くアラーム音を鳴らしたくない方には、Apple Watchの着用がおすすめです。Apple Watchは音を鳴らさずに振動で通知を伝えるため、周囲に迷惑をかけず服用時間に気づくことができます。
Apple Watchは若者だけのための時計ではありません。実は、高齢者にこそ大きなメリットがあります。
操作はシンプルで、1日30分程度の充電を行えば、あとは腕につけておくだけで利用できます。
最新モデルでなくても問題はなく、たとえばApple Watch SE(第2世代)のようなコストパフォーマンスに優れたエントリーモデルでも、日常生活のサポートや健康管理、iPhoneとの連携など、幅広い機能を備えています。
見た目や使い方が一般的な腕時計に近いため、従来の腕時計に慣れ親しんだ高齢者にも受け入れられやすいでしょう。
iPhoneで親の服薬管理をゆる~く見守ろう
服薬管理は、若い人にとっても決して簡単なことではありません。誰でも一度は、薬を飲み忘れたり、決められた時間に服用できなかったりした経験があるのではないでしょうか。
高齢者の場合は、服用する薬の種類が多く、服用時間も不規則であることが一般的です。そのため、家族が服薬管理の難しさを理解し、日常的に見守ることはとても大切です。
iPhoneを活用すれば、服薬の飲み忘れを防ぐだけでなく、離れて暮らす親の服薬状況をさりげなく見守ることも可能です。
お互いに無理のない距離感で情報を共有できるため、安否確認としても役立ち、安心して日々の生活を送ることができます。
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